お宮参りの着物は何を選ぶ?柄や込められた意味を男の子・女の子別に解説!
お宮参りは室町時代ごろから続く、子どもの健やかな成長を願う大切な行事です。お参りのスタイルは人それぞれですが、基本のマナーを押さえておくとアレンジしやすくなります。お宮参りの着物にはさまざまな柄があり、それぞれ意味が込められています。そこで、この記事ではお宮参りの着物で定番の柄と、柄に込められた意味について解説します。
目次
1.お宮参りの着物(祝い着)とは
お宮参りでの赤ちゃんの正装は和装で、白羽二重と呼ばれる着物の上に着物(祝い着)をかけます。近年では白羽二重を省略してベビードレスなどを着せることもありますが、祝い着は多くの人が着せています。着物の柄には、古くから礼装用の着物や帯などに用いられる縁起の良い「吉祥文様」が多いです。吉祥文様は東アジアで広く使われている、動植物や品物の図柄です。着物の柄一つひとつに、赤ちゃんの成長を願うための意味が込められています。図柄や色合いは、男の子と女の子で異なります。男の子に人気の柄は兜や鷹、龍や宝船、軍配です。女の子は御所車・花車や毬、鈴や桜、牡丹・芍薬になります。色の定番は男の子なら黒や紺、緑や灰色です。女の子はピンクや赤、薄い黄色などが好まれます。
2.【男の子】お宮参りの着物の代表的な柄と意味
男の子のお宮参りの着物でよく使われる柄と、その意味について解説します。
2-1.兜
兜は戦で武士の頭部を守る役割を持つことから「邪気や厄災から身を守り健やかな成長を願う」という意味が込められています。兜は権威の高い人の装備品だったため権威や高い地位の象徴でもあり「出世や一家の長として立派に育つように」という意味もあります。子供が大きくなったとき、一緒に写真を見ながら「兜の吹返しの部分の」「しころの刺繍が」などと説明できると尊敬されるでしょう。
2-2.鷹
鷹は、出世や大成の象徴ともいわれている鳥です。遠くまで見渡す目を持つことから「物事の本質を見抜く力や先を見通す広い視野を持つように」という意味が込められています。鋭い爪は一度つかんだ獲物を逃さないことから「幸運をしっかりつかみ離さないように」という意味もあります。着物の柄になっている鷹は、巻物や太鼓など色々なものをつかんでいます。巻物を握りしめていれば「賢い子供に」など、独自の意味を込めてみるのも面白いです。
2-3.龍
龍は想像上の生き物で体は9つの動物からできているとされ、麒麟や鳳凰、亀と並ぶ四霊の1つです。古代中国ではすべての生き物の祖先とされ、皇帝の象徴ともなっていることから縁起の良い生き物と考えられています。龍が天に昇る姿から、出世や飛躍を願う意味があります。描き手によって豊かな表情を持つ龍の柄なら、個性的な着物を選べます。
2-4.宝船
お宮参りの着物の宝船には宝・寿・福などの漢字が記され、宝物や縁起物が豊富に乗っています。宝船は新たな旅立ちや門出を表わし「これからの人生における希望の門出を祝う」という意味を持ちます。たくさんの積み荷があることから、赤ちゃんが「一生物に困らないように」という願いも込められています。よい初夢を見るために枕の下に敷くほど縁起の良い絵柄ですから、お参りの途中で眠ってしまった赤ちゃんは、きっと幸せな夢を見ていることでしょう。
2-5.軍配
軍配は現代では相撲の行司が持っているイメージが強いですが、元は武将や武将の戦略指揮を助ける軍司が戦を指揮するために持つものでした。そのことから、軍配を持つリーダーのように「知力・決断力・行動力にあふれ、先頭に立ち人を動かせる男の子に成長するように」という意味が込められるようになりました。自身の人生においても「自ら采配を振るって、道を間違えず進んでほしい」という意味も込められています。
3.【女の子】お宮参りの着物の代表的な柄と意味
女の子のお宮参りの着物で、よく使われる柄と意味について解説します。
3-1.御所車・花車
御所車とは平安時代の京都御所周辺で使われていた貴族の乗り物である牛車を指し、そこに花を飾ったものを花車と言います。この柄には「玉の輿に乗れますように」、飾られている色とりどりの花のように「女の子が美しく成長し、人々から祝福されますように」という願いが込められています。江戸時代に源氏物語が再評価され、古典教養として学ばれるようになったことが着物の柄として選ばれた一因なので「賢い子供に」と願うことも可能です。
3-2.毬
平安時代には貴族の遊びとして蹴鞠が流行していましたが、蹴鞠の毬は鹿革でできており手毬とは全く異なるものでした。女の子の着物の柄に描かれるのは、16世紀の末頃から作られるようになった、美しい糸を幾何学模様に巻いた小振りの手毬です。特に江戸の中期に流行し、女性や子供の正月の遊びとして好まれました。美しい手鞠は高貴さや気品を表わします。鞠にはその丸い形から「何事も丸く収まりますように」「丸々とすこやかに成長しますように」などの願いも込められています。江戸時代には男の子も遊んでいた手毬は、子どもの玩具として「子どもが寂しくないように」というお守り代わりとしての意味合いも持ちます。
3-3.鈴
古くから鈴の音は獣や魔物などを追い払い、神や縁起の良いものを引き寄せる力があるといわれてきました。神社にお参りする際に鈴を鳴らしたり、巫女が神楽を舞うときに鈴を鳴らしたりすることで神様が現れ、通じ合うことができるとされます。そのため、鈴には神様に呼びかけ、祈りや願いを届けるという意味があります。
3-4.桜
桜は日本を象徴する花で、着物の柄モチーフとしても定番です。桜の柄には「多くの人から好かれている桜のように、誰からも愛され華のある女性に育つように」という意味が込められています。桜はいっせいに咲き誇ることから、繁栄や豊かさなどの意味もあります。年度初めの春に咲くので物事の始まりにふさわしく縁起の良い柄とされ、お宮参りの着物にも多く用いられます。
3-5.牡丹・芍薬
日本には「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はユリの花」という、美人を形容する言葉があります。牡丹や芍薬は華やかな大輪の花を咲かせ、高貴さや富貴さなど女性の美しさを表現する花として知られています。牡丹や芍薬の柄には「美しさと気品があり、慎ましさも兼ね備えた女性に成長するように」という願いが込められています。
4.お宮参りの着物を選ぶときのポイント
前述の通り、お宮参りの着物の柄はそれぞれ異なる意味を持っています。柄の意味に注目して着物を選び、子どもの成長後に説明できるようにしておくと、子供を思う親の気持ちが伝わります。干支にちなんで柄を選ぶのもよいでしょう。特に子どもが辰年生まれなら、縁起物として龍の柄を選ぶことも多いようです。紹介した以外にも多くの花が着物の柄としてデザインされているので、女の子なら生まれた季節を象徴する花の柄を選んでみるのも素敵です。色については近年、男の子女の子に限らず白やベージュを選んで、自分らしい色に染めてほしいという願いを込めることもあります。着物を購入する場合は、仕立て直して七五三にも着ることができます。
5.お宮参りの着物の柄と意味はさまざま!ぴったりの一着を選ぼう
お宮参りの着物の柄には、親の思いを反映するさまざまな意味が込められています。着物選びで迷ったら、参考にするのもよいでしょう。フォトスタジオメゾンは、神奈川県横浜市に本社を置くモリノブライズ株式会社の子供写真を中心としたフォトスタジオです。横浜関内店と川崎店の2店舗を構え、レンガ造りやグリーンウォールなどトレンドを取り入れた40ものスタジオセットで撮影できます。ウェディングで活躍するプロのヘアメイクアーティストや、フォトグラファーが手がける一枚はワンランク上の仕上がりです。フォトスタジオメゾンには、お宮参り用の祝い着が豊富にそろっています。我が子にぴったりの一着で撮る晴れの日の記念写真は、一生の思い出になります。フォトスタジオメゾンのサイトから衣装の検索が可能です。気になる祝い着が見つかったら、ネットで問い合わせてみましょう。