七五三の着物の柄にはそれぞれ意味がある!代表的な柄の意味を解説
七五三で子どもに着せてあげる着物選びに迷った時、決め手となるのはやはり色や柄という人も多いでしょう。何となくデザインで選んでしまいがちな着物の柄ですが、実は1つ1つに意味が込められています。写真などで大切な我が子の成長を記録する七五三だからこそ、こうした細かいポイントにもこだわっておくと愛情が深まるでしょう。今回は七五三における着物、およびその柄に込められた意味を解説していきます。
目次
1.七五三の着物にこめられた意味
七五三のルーツは平安時代まで遡ると言われており、日本において格式高い通過儀礼の1つとなっています。子どもの着物も礼装と呼ばれる格式高い衣装となっているのです。お祝い事で着用するため柄は格式高く、なおかつ縁起の良いものが好まれてきました。まずは七五三における着物の意味を男女別に見ていきましょう。
1-1.女の子の着物
七五三で女の子が身に付ける着物には「美しく育ってほしい」「幸せになってほしい」といった意味合いの柄を用いるケースが多いです。日本古来の縁起物が描かれることもあれば、中国由来のものを描くこともあります。女の子の七五三は3歳と7歳のタイミングで行うのが一般的です。(もちろん5歳の七五三をお祝いしても問題ありません)。成長が早い幼少期に4年間もの期間が開くため、7歳の七五三では以前よりも一回り大きいサイズの着物を着ることになります。基本的に3歳でも7歳でも、着物の柄が大きく変わることはありません。しかし、着物の表面積が増える関係上、7歳の着物のほうが柄が広範囲におよび、デザインのバリエーションも増えるので覚えておきましょう。
1-2.男の子の着物
男の子の七五三は5歳のみというケースが多いですが、3歳と5歳という地域も珍しくありません。7歳までしっかりお祝いする家庭も増えているので、一家の方針に合わせて決めるのが良いでしょう。男の子の七五三で5歳が重要視されているのは、平安時代における「袴着」と呼ばれる儀式がルーツになっているためです。男の子が格式高い礼装を始めて着用するのが袴着であり、現代の七五三では羽織袴を身に付けます。「強くたくましく育ってほしい」「災いに見舞われないように」といった願いが込められる柄が多く、例えば縁起を担いだ宝物柄や大成・子孫繁栄を祈願した動植柄などが人気です。
1-3.七五三の着物は装飾も特別
七五三は人生の中で数回しか訪れない貴重な機会であるため、着物にも織り・染め・通常とは異なる特別な装飾などが施されているのが特徴です。普段着としてではなく、こうした儀式で着用するような着物を一般的に「晴れ着」あるいは「祝い着」と呼びます。晴れ着や祝い着の特徴的な装飾の1つとしては「地紋」が挙げられるでしょう。地紋とは光の当たり方によって紋様が浮き上がって見える装飾のことです。地紋自体は普通の和服にも用いられる装飾技法ですが、七五三の地紋は特に豪華な仕上がりになっています。女の子の着物であれば華やかな「桜地紋」や「本紋」、男の子の場合は凛々しい「紗綾形」が人気です。
2.【女の子】七五三の着物の柄の意味を解説
七五三の着物は男女別によく用いられる柄が異なるため、ある程度予備知識を付けておくと選びやすくなるでしょう。まずは女の子の七五三でよく着られている柄とその意味を以下に紹介していきます。
2-1.花
女の子が身に付ける着物の柄として、定番と言って良いものが「花」です。一口に花と言っても種類は様々なので、好みに合わせて柄を選ぶのも良いでしょう。人気どころとしては日本を象徴する花である「桜」や「梅」、高貴な雰囲気をまとう「牡丹」、子孫繁栄の意味を持つ「橘」などが挙げられます。単一種に限らず、これらを組み合わせた花束や花籠といった柄も少なくありません。花柄は「花のように美しく育ってほしい」という意味を込めて選ぶのが一般的です。
2-2.手毬
平安時代には毬を蹴り上げて遊ぶ蹴鞠と呼ばれる遊戯が貴族の間で流行していました。それに由来して、手毬は七五三の着物においても高貴さを表す柄としてよく用いられています。「手毬のようにまるまると健やかに育ってほしい」「何事も丸く収まってほしい」などの願いを込めて選ぶ柄です。また、手毬は古くから遊び道具としていつも子どものそばにあるものでした。そこから転じて、手毬柄には子どものお守り代わりという意味合いも含まれています。
2-3.貝桶
貝桶もまた平安時代の貴族の遊びで使われた道具であり、散らばった貝の中から対となるペアを見つけ出す遊びを「貝合わせ」と呼んでいました。ペアになる貝桶はぴったりと合わさることから夫婦円満を象徴する縁起物として好まれるようになり、中世頃には嫁入り道具として扱われるようになります。現代でも「将来の家庭円満や子孫繁栄」を願う意味で、晴れ着の柄に用いられているのです。
2-4.熨斗・束ね熨斗
ご祝儀袋に描かれていることで有名な熨斗ですが、実は着物の柄としても人気があります。元々、熨斗はアワビを細く薄切りにしたものを伸ばして乾燥させて文様にしたものです。熨斗柄の中でも、複数の熨斗を重ねて描いた束ね熨斗が特に好まれます。熨斗や束ね熨斗の柄には「人と人とを繋ぐ縁・絆に恵まれる」という縁起の意味があるので覚えておきましょう。
2-5.扇
扇は初夢の縁起物として知られており、七五三の着物でもよく描かれています。扇の形状は末広がりになっているため、子孫繁栄を連想させるとして縁起が良いのです。七五三においては「富の象徴」「将来の発展・繁栄」「未来への明るい展望」といった意味があります。
3.【男の子】七五三の着物の柄の意味を解説
女の子向けの柄に「華やかさ」や「将来の幸せ」をイメージさせるものが多かったのに対して、男の子向けのものは「力強さ」や「大成」を意識した柄が多いです。以下のリストを参考にして、我が子に会った柄を選んでみてください。
3-1.兜
戦で武士が頭部を守るために身に付けていた兜は、男の子を「災いや邪気から守ってほしい」という意味で着物に描かれることが多いです。分かりやすく勇猛なデザインは子ども本人からもウケが良く、人気の高い柄となっています。豪華な装飾が施された兜は重要な役職に就いた武士に許されたものであったため、将来の出世や大成を願う意味合いもあります。
3-2.軍配
戦場では兵士たちの采配を振るために、指揮官が軍配と呼ばれるうちわ形の道具を用いていました。七五三の着物に描かれる軍配は「体力・知力・決断力・行動力などを備えた子どもに育ってほしい」「我が子の未来が良い方向へ進みますように」といった意味が込められている柄です。勝負に勝つことを「軍配が上がる」と言うことから、着物には上向きの軍配が描かれるのが基本となっています。
3-3.鷹
鷹は空高くから獲物を見定めて、鋭い爪で捕らえたら離さない様子から力強さの象徴として古来親しまれてきました。鋭い眼光と強固な爪にあやかって「将来を見通して、一度捕らえた幸せを逃さないでほしい」という意味から着物に描かれているのです。また、日本では古くから上流階層の人間が飼いならした鷹に獲物を捕らせる「鷹狩り」という遊びを行っていたため、子どもの立身出世を願う柄でもあります。
3-4.打出の小槌
昔話でも有名な打出の小槌は、願い事を唱えながら振れば望んだものが出てくる宝物とされています。「人生においてお金やモノに困らないでほしい」の意味で描かれることが多いです。打出の小槌はメインで据えられることが少なく、兜や軍配を引き立たせる脇役として袖もしくは裾に添えられるのが一般的と言えます。
3-5.宝船
七五三の着物に描かれる宝船は、中国の吉祥思想に基づいています。新しい旅立ちや門出の際によく描かれ、希望に満ちた人生への門出を祝う縁起物です。打出の小槌・宝珠・巻き軸といった宝物がいくつか組み合わされており「宝尽くし」と呼ばれることもあります。七五三での基本的な意味合いは「子どもが生涯を通してモノに困りませんように」です。宝船自体は子どもの財産、その船が乗っている波は人生を表現しています。
4.七五三の衣装は柄にも注目して選ぼう
七五三で子どもが着る着物の柄には、様々な意味が込められています。女の子か男の子かによってマッチする柄も異なるので、それぞれの意味を理解した上で衣装を選んであげましょう。七五三ではフォトスタジオを利用するのも一般的となっていますが、衣装の充実さは前もってチェックしておきたいポイントです。フォトスタジオメゾンでは七五三の衣装を豊富に取り扱っており、着付けや撮影などの組み合わせで多彩なプランが用意されています。着物の柄選びだけでなく思い出を最高の一枚として残すためのサポートを行ってくれるので、迷った時は以下のリンクから問い合わせてみてください。